「科目別能力別授業」「55段階システム」──四谷学院のブランドは独自の学習システムで構築されていると考えられる。
河合塾・東進・駿台が市場を分け合う大学受験市場で、
四谷学院はどのようにして独自のポジションを築いているのだろうか。その戦略を解剖する。
本記事は公開情報と弊社の支援実績をもとに筆者が分析したものです。各社の公式見解ではありません。
戦略①「科目別能力別」という個別最適化の集団授業
四谷学院の最大の特徴と言えるのが「科目別能力別授業」だと考えられる。
通常の予備校では「クラス=全科目同じ学力の生徒」が基本であるとみられるが、
四谷学院では科目ごとに別々のクラスに所属する仕組みのようだ。
- 英語はAクラス、数学はCクラス、という科目別の最適クラス配置
- 「英語は得意だが数学は苦手」という実態に合わせた指導が可能と推察される
- 科目ごとに最適なクラスで学べるため、無駄な授業がないとみられる
保護者・生徒への訴求ポイント:
「苦手科目の克服が最速でできる」
「得意科目でも刺激を受け続けられる」
戦略②「55段階システム」という精密な学力測定
四谷学院の「55段階システム」は、学力を55段階で細かく評価する独自の習熟度システムではないだろうか。
- 各段階に対応した問題を解き、合格したら次の段階へ進むとみられる
- 「今自分がどのレベルにいるか」が常に可視化される設計だと考えられる
- マイペースで進められ、取りこぼしがないと言えそうだ
55段階の価値:
- 「なんとなく勉強している」状態を排除できるとみられる
- 毎回の授業に「クリアすべき段階」という明確なゴールがあると推察される
- 段階を上げるたびに達成感があり、継続動機になるのではないだろうか
ゲームの「レベルアップ」と同じ心理設計ではないかと考えられる。
戦略③「ダブル教育」という独自コンセプトの訴求
四谷学院は「ダブル教育」というキャッチフレーズを活用しているとみられる。
- 集団授業(わかる)+個別指導55段階(できる)の組み合わせであると考えられる
- 「わかる」だけでなく「できる」まで確実に到達させる設計のようだ
- 「わかったつもり」で終わらせない指導が差別化ポイントと言えそうだ
この「わかる→できる」のギャップを埋めるという訴求は、
受験生の最も大きな悩みに直接応答するものと推察される。
四谷学院の弱点
- 費用が高く、他の大手予備校と同水準か高めとみられる
- 校舎数が少なく、通いにくい地域も多いと考えられる
- 東大・京大・医学部の最難関では駿台・河合に劣るというイメージを持たれている可能性がある
- 「55段階」の概念が複雑で、入塾前の説明が難しい傾向があるとみられる
- 合格実績の訴求では大手に劣る面もあるのではないだろうか
塾経営者が学べる3つのポイント
✅ 「ダブル教育」のように指導哲学をコンセプト化する
「わかる×できる」「集団×個別」のように
自塾の指導の仕組みをキャッチコピー化することで
他塾との差別化が一言で伝わるようになると考えられる。
✅ 「段階評価」は顧客の継続動機を高める最強ツールと言えそうだ
55段階のように細かい学力指標を作ると
生徒が「次のレベルに行きたい」という動機で通い続ける傾向が見られるのではないだろうか。
漢検・英検の活用もこれと同じ発想ではないかと推察される。
✅ 「苦手科目の最速克服」は保護者の最大ニーズと考えられる
四谷学院の科目別能力別のように、
苦手科目に集中投資できる設計は
成績が伸び悩む子の保護者に強く刺さるとみられる。
よくある質問(FAQ)
Q. 四谷学院のCM戦略(”なんで私が東大に”)が成功した理由を、小規模塾の広告に活かせるか?
A. 四谷学院のCMは「意外性のあるビフォーアフター」を端的に伝え、視聴者の興味を引くことに成功した。小規模塾でも、合格実績を「偏差値40→65」のように具体的な変化で見せることで同じ効果が狙える。重要なのは大量出稿ではなく、保護者が「うちの子にも当てはまるかも」と感じるストーリーを作ることだ。
Q. 四谷学院の”ダブル教育”というブランディングは、中小塾の差別化にどう応用できるか?
A. 四谷学院は「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」の2本柱を”ダブル教育”として明確にブランディングしている。中小塾が参考にすべきは、自塾の強みを2つに絞り、セットで打ち出す手法だ。「うちの塾は何でもできます」ではなく、特徴を組み合わせてネーミングすることで、保護者の記憶に残りやすくなる。


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